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「ただいま新郎よりご紹介に与りました高橋です。
すいません、予定にはなかったのですが、皆さま、むりやり1曲だけよろしいでしょうか(笑)。
それではこの時間だけ、司会から離れまして、1曲だけ歌わさせていただきます。

新郎の貝塚くんとはですね、
あ、ここはいつもの呼びかたで、貝さんと呼ばさせていただきます。

貝さんとはですね、かれこれもう13年の付き合いがあるのですが、
もう何年も同じ職場で働いていまして、
そのときにですね、よく仲間内で流行っていた遊びがありました。

それはロマンティック対決というのですが、それがどんな遊びかといいますと、
ただ単に、自分のこれまでのエピソードを披露して、
誰がいちばんロマンティックなのかを競う、という、まぁくだらないお遊びです(笑)。

ぼくはですね、いままでその勝負に一度も負けたことがない、というのを自負していたわけなんですけど、
その中にですね、どうしてもこの人には敵わない、という人がまして、それが、貝さんでした。

もう、まったくもって歯がたたなかった(笑)。

どんなふうにロマンチックかというのはですね、ここでは新婦もいらっしゃいますし、
いろいろ問題がありますので省かさせていただきますけど(笑)、
あの小さいからだからは想像もできないくらい大きな情熱を秘めていましてね、
まぁ、九州男児というのは、大概にしてロマンティストなのかもしれないですね。

そこでよくいわれる議論になるんですけど、
「はたして、結婚生活において、ロマンティックは必要か」、
と、こういう話になってくるんです。

大きなことばっかりはなして、夢ばっかりみて、
空想的とでもいいましょうか、現実感がない、
それはそれは素晴らしいことばっかり語るわけですよ。

たしかに記念日などには似つかわしいかもしれません。
でも結婚というのは生活でして、毎日つづきます。
そういう日々の中、そんな大きなことばかり語られても、奥さんはこまってしまいますよねえ(笑)。

そんなことより、毎日、普通の、当たり前のことを誠実に積み重ねていく方が、
よっぽど夫婦にとって大事なことだと思います。

でも新婦さん、心配しないでください。

貝さんは、そういった細やかなことにもたいへん気の回る人です。
身の回りの人に対して、繊細に気をつかえるところも、貝さんのいいところです。
そこに、持ち前のロマンティックさが加われば、最高に素晴らしい結婚生活になるのではないでしょうか。

逆に貝さんには、日々の生活にうもれることなく、ロマンティックさだけは隠し持ち続けていただきたいですね。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここで曲を披露させていただきます。
この前置きを踏まえた、ロマンティックな曲です(笑)。
オリジナルソングです(笑)。
こういう状況でオリジナルソングはかなりハードルが高いのですが、
昔から貝さんにふさわしいのではないかと思っていた曲なんです。

しかも今回はアカペラで歌わさせていただきます(笑)。

タイトルも結婚式にふさわしいタイトルではないでしょうか、
「永遠」
というタイトルです(笑)。

へたくそですが、いっしょうけんめい歌います。

それでは、お聴きください。

「永遠」。





永遠に

君のことを

愛してるって

いっちゃった


君はまた

変なことを

いいだしたって

顔してる


「大げさなこと

いわなくっていいよ

毎日普通に

好きでいて」って


なんだ君は

イジワルだな

だって本当に

そう思ったんだ



いっしょにいても

離れていても

いろんなことで

すれちがっても

楽しいときも

消えたいときも

君が僕に

あきれているときも

年をとっても

生まれ変わっても

君が僕を

忘れてしまっても

僕は君を

愛し続けるよ


ロマンチックすぎるかい?




じゃあいいよ

話半分でも

僕の話を

信じてくれよ


でも永遠は

永遠だから

半分でも

永遠さ



いっしょにいても

離れていても

いろんなことで

すれちがっても

楽しいときも

消えたいときも

君が僕に

ムカついてるときも

年をとっても

生まれ変わっても

君が僕を

忘れてしまっても

僕は君を

愛し続けるよ


ロマンチックすぎるかい?





(拍手)

ありがとうございました!失礼しました。

それでは、司会に戻らさせていただきます。」
(2013年9月22日)




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<オクターヴィア1>
地球編




2005年の8月8日、地球の高架橋の上でぼくは泣いていた。
コンクリートには、夏の日差しがじりじりと照り付けていて、
流したなみだはあっというまに夏のしめった空気にまじっていく。


「どうしてぼくは きみをみつけたんだろう。
どうしてきみは ぼくをみつけられなかったんだろう。」

どうして?
ほんとうはそんなことかんがえる気なんかない。
この雰囲気にあうセリフを撰んでいただけだった。

あの娘とは、
もう会えなくなるのはわかっていた。

その夏の終わりに、ぼくは、「永遠」という歌をつくった。
ずいぶんと大げさな歌だった。





-------
<なまえのみじかいおんなのこ>
ちがう星編




恋におちるということは、ちがう星にすむのと同じことだ。

そこは地球によくにているけども、みえる景色はまったくちがう。

朝だって、夜だって、ぜんぜんちがう。


街には、恋のかけらがたくさん落ちていて、

その星の住人は、そのかけらをあつめて、毎日暮らしている。

そうしないと、息がつまって死んでしまうのだ。


夜のながさはいちにちごとに変わり、

一瞬でおわってしまう夜もあれば、

もうずっと明けないんじゃないかっていうくらいながい夜だってある。


夜のながさを一定にするためには、

歌をうたったり、詩をかいたりしなければいけない。

そうすることによって、夜は、

なるべく均一に、そして美しく保たれるのだ。


そしてなによりも地球とちがうこと。

それは、

この星でいちばん大きな音は、

心臓の音だ。





20歳の彼女にはじめてあったのは2003年の春で、

ながい髪と、

とてもみじかい名前を持っていた。


出会ったときから彼女は不思議な何かをまとっていて、

その薄いベールを通して、彼女はひかっているようにみえた。


だけども何かに覆われていたのは、

実はぼくの網膜の方で、

彼女はどうしようもないほどに自然体なだけだった。


そんなかんたんなことにも気づかないで、

すぐに彼女に夢中になった。


そしてその日から、

ぼくはちがう星に住むことになるのである。







-------
<心臓の音しかきこえない>
ちがう星編







2年間ずっと、

彼女だけしかみえなかった。







彼女にはずっと、

同い年の恋人がいた。








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<オクターヴィア2>
ちがう星〜地球編





2005年8月7日に、

ぼくとぼくの友達たちと彼女は夏の野外コンサート会場にいた。

ひさしぶりにあう彼女はどこかよそよそしく、

ぼくは彼女とほとんどはなさなかった。


太陽がのぼりきると、

彼女がどうしてもみたいといっていたバンドが、

ステージの上にあらわれた。

そのバンドは地球のとはぜんぜんちがっていて、

ぼくと同じ星に住んでいるバンドだということがすぐにみわけられた。

ボーカルの人は演奏終盤にステージ上で局部をだしていたのだけど、

でもぼくはそんなことよりも、このバンドの歌が、

2005年の夏が彼女とすごす最後の夏になる予感をはらんでいるような気がして、

彼女のうしろでこっそりと泣いてしまったのだけおぼえている。



そしてその予感は的中した。



帰りの電車で、ぼくはであって以来はじめて彼女とふたりきりになった。

彼女はなにもはなさないぼくに気をつかっているのか、

いろいろとぼくにはなしかけてきた。

はなしの流れから、結婚のはなしになった。

ぼくはやりたいことがたくさんあって、

それがちゃんとできないと、

好きなひとをしあわせになんかできない。

いまはなんにもできてないけど、

もっともっとがんばって、

いつかやりたいことがかたちにになったら、

ぜったいそのひとをしあわせにする。

そんなようなことを確かいったとおもう。

それに対して、

彼女は、地球の言葉で答えてきた。


「女の子は、そういう事が幸せだと思ってる人たぶん少ないですよ。
知ってると思いますけど、私には彼氏がいます。
彼は高橋さんみたいに、やりたいこととか、大きな夢とかが特にあるわけではないです。
趣味とかも高橋さんみたいにたくさんないし、行動力とかあるわけでもないです。
どちらかっていうと頼りない、ダメな人なんです。
でも毎日、普通に、私のことを好きでいてくれるんです。
でも、そういうことの方が、大事だと思うんです。
夢をかなえなければ幸せじゃないとかじゃなくて、
女の子は、そういう普通のことに幸せを感じるんだと思います。」


ぼくはぜんぜんしらなかった。

ぼくはまいにちいろんな音楽をきいて、

まいにちいろんな映画をみて、

まいにちいろんな本を読んで、

いっぱいいっぱい勉強して、

好きなひとのためにいつかやりたかったことをかたちにして、

それからでないと好きなひとをしあわせにできないと思っていた。

それがぜんぜんちがっていたなんて。


電車のなかでもうぼくたちは会わないほうがいいってはなしをして、

上野駅で彼女と別れ、

かえりの電車でひとり、

いろいろとかんがえながら家にもどった。

彼女のいうことももっともだとおもった。

もう、音楽をきくのも、映画をみるのもやめようとおもった。

とても、悔しかった。

だから、うたをつくろうとおもった。

おんなのこが困るくらいのロマンティックなうたを。

それでいて、おんなのこがいう幸せという意味も同時にわかるような、

そんなうたを。

タイトルは、もうきまっている。

ぼくとおなじ星のバンドがうたっていたうたの歌詞からもらったタイトル。

「永遠」っていう名前のうた。



それから地球にもどり、
ぼくは何日もかけて手紙をかいた。
彼女のことを好きだったということと、
大事なことをおしえてくれてありがとうってことと、
やりたいことをちゃんとやるからどこかでみていてほしいってことと、
自分勝手なことをたくさん書いた手紙をかいた。


その手紙をだしたら、もう彼女にあえなくなるのはわかっていた。
それでもぼくは手紙をだした。


ぼくはあたらしいバンドを組んだ。
もう彼女のことをあきらめたことや、
もう会えないだろうということに皮肉をこめて、
マダスキーアイタイチェンコという名前で、
何曲も何曲も歌をつくった。





-------
<再会>
地球編





貝さんの結婚式の2ヶ月くらい前に、
びっくりするくらいあっけなく7年ぶりの彼女に再会した。

彼女と地球で会うのは初めてだった。

月日というのは、この世で一番優しいものかもしれない。
ぼくと彼女は、もう普通だった。

久しぶりに会った日に一緒に朝まで飲んだ。

彼女のことを好きだったことや、手紙の話はしなかったけれども、
ぼくらは当時の懐かしい思い出話をたくさんたくさん話した。

近況報告やくだらない無駄話などもしたりして、
当時過ごした2年間の間に一緒に話した合計時間など、
その日だけであっというまに超えてしまった。

次に会うことになった2か月後の貝さんの結婚式2次会では、
彼女以外にも当時の仲間が7年ぶりに集結し、
同窓会といった趣になった。

こうすけ、貝さん、ウノ子、ザック、まんご、
昔の仲間が再び集まって会社をやっているというと、
彼女は羨ましそうに喜んでくれた。


ぼくは当時のムードにのまれ、ロマンティックな話をたくさんした。
「あいかわらず気持ち悪いですね」と彼女は笑った。
ぼくも笑った。
普通の友達になれたことが、いちばん嬉しかった。


披露宴での歌の話になり、
ぼくは貝さんに、「永遠」という歌をうたった、と彼女に伝えた。

どんな歌なんですか、と彼女は興味深そうにきいてきた。
ここで歌ってください、とも言ってきた。

ぼくは、歌えないよ、と笑った。



君のおかげでできた歌なんだよと、結局最後まで彼女に言えなかった。




【永遠】

 


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